320: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 18:15:55.63 ID:ZRhpxi3E0
パフォーマンスが終わった瞬間、紗代子は倒れ込みそうになるのを必死でこらえた。伏せた顔は披露で苦悶に歪み、息は完全にあがっている。
だが顔を上げた刹那、彼女は完璧な笑顔で観客に応え、手を振った。
激情の迸るようなステージたった。
観客もそれに対し、惜しみない拍手と声援をおくった。
客席から、笑顔や歓声と賞賛の言葉が紗代子に飛んでくる。
瑞希「すごい……」
P「完璧だ。紗代子は、全部出し切った。そして、問題は……」
司会者は、やや畏れるような目で黒井社長をちらりと見た。
黒井社長は、業界の実力者だ。しかも必要とあらばどんな手段でもとってくる。有名司会者とはいえ、黒井社長の勘気を被ればひとたまりもなく明日からの職を失うだろう。
その黒井社長は、腕を組んだまま微動だにしない。そして険しい表情からは、意図が見てとれない。
司会「えー……そ、それでは採点です。高山紗代子さんのパフォーマンス、審査員のみなさん得点をお願いいたします!」
344Res/278.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20