212: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:37:42.93 ID:ZRhpxi3E0
善澤「かつて……765プロにある男がプロデューサーとして入社してきた。彼はまだ若く、経験も未熟だったが、並々ならぬ熱意と才能を見出す目。そしてそれを育てる知識を持っていた」
紗代子「もしかして……」
善澤「アイドルの未熟さと、彼の未熟さ、両者が互いに磨き合い成長し合っていけば素晴らしいアイドルとプロデューサーが誕生する予感がすると、高木は目を細めていたものだ」
瑞希「その方が、高山さんの……」
善澤「ある日、その彼が勢い込んで事務所に帰ってきた。ものすごい逸材を見つけた! 絶対にトップアイドルになれる娘だ!! と、たまたま居合わせた私も驚くほどの、それはもう興奮した面持ちでね」
善澤は、懐かしい思い出を語りながら煙草に火をつける。
壁には『禁煙』と書かれていたが、個室なので店員も注意には来ない。
紗代子と瑞希も話の腰を折るまいと黙っていた。
善澤「確かにその娘は逸材だった。容姿、歌声、ダンスと既に高いクオリティを身につけており、それに加え彼がレッスンで鍛えたこともあり、メキメキと実力を伸ばしていった」
瑞希「なるほど……今の高山さんと、同じように……ですね」
紗代子「そんな。私なんて……まだまだだけど」
善澤「……だが、ある日。事件が起きた」
紗代子「え?」
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