セイバー「聖杯大喜利戦争 座布団十枚目!」イリヤ「おめでとーございまーす!」
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10: ◆8cB8K086lg[sage]
2019/12/25(水) 14:52:50.51 ID:VqN+vqBbo

 私がそういうと、士郎はそれを皮切りに、それまでの申し訳なさそうな顔が一気に崩れて、笑い出した。

「いや、桜に丼なんかプレゼントしたら口きいてもらえないって」

「酷い、酷いですシロウ。なぜそのような嘘を」

「悪かったって。でもさ――」

「ほら、そんな風にやきもちをやく女の子の中身が空っぽなんて、あるわけないだろ」

 シロウは先ほどの破顔から、そっと微笑むような穏やかな表情へと移り変わっていた。私といえば、火が出るのではないかというほど顔が熱くなり、その熱が次第に目頭に集まって、とうとうそのまま瞳からこぼれ落ちた。
 笑わせたいとおもって始めたことだったのに、いつのまにか泣かされていた。

 あぁ、やはり私はこういうのには向いていない。

 士郎は私が泣き止むまで何も言わずに抱きしめてくれた。涙が収まる頃に彼の顔を見ると、士郎は先ほどの微笑から、穏やかな安堵の表情となっていた。
人にはこういう笑顔だってあるのだと思うと、どことなく胸のつかえがとれたような、いろいろなものが腑に落ちたような気がして、涙も乾かないままもう一度、まだ小さい身体に顔を埋めて、少しだけ笑った。



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