8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/25(水) 05:21:01.74 ID:77T4edg60
「天使、ですか」
目を開けると、そこに女の子が立っていた。
暖炉の灯りみたいに煌びやかな金髪をした、揺れる炎のように赤い瞳の少女。
そんな綺麗な子が、神秘とは程遠いコンビニの袋を片手に提げて、私に傘をさしている。
小さな赤いサンタ帽と、しっかりと着込んだ赤いケープがどこか外国を思わせた。
その子はとても不思議そうな表情を見せて、私の髪に付いた雪を払う。
「えっと……、望月 聖って、言います。天使じゃないです……。」
聖さんは演技っぽく頬を膨らませると、私の隣に腰を掛けた。
ふわりとケープの端っこが、私のコートの左袖を撫でる。
それから、冷たくないだろうか。温くて一回り小さい手が、私の左手を握った。
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