めぐみん「敵いませんね、アクアには」ダクネス「ああ、まったくだ」
1- 20
14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/25(水) 01:35:58.63 ID:ez5T+FUIO
「あいつはドジだけど、器用なとこもある」

ぼんやり独り言を口にすると両隣が頷いた。

「たしかに、アクアはいつもやらかしていますが、どうでも良いところで超人的ですよね」
「ああ、宴会芸やら芸術方面やらでは人外だ」

うとうとしながら、思い出に浸る。
初めてアクセルの町にやってきて。
右も左もわからず、女神は頼りにならず。
日銭を稼いで、その日暮らしの毎日。

もともとヒキニートの俺には生活力などなく。
力仕事をすれば、すぐに身体が悲鳴をあげた。
重たい石やら木材を何度も落として叱られた。
アクアは壁にセメントを塗るのが得意だった。

けれどあいつに比べられることはなかった。
それぞれの役割で立ち回り、衝突はなかった。
今から思えばあれはあいつなりの配慮だったのかも知れないと思ったが、流石に考えすぎか。

栓なきことだ。考えても始まらない。けれど。

「ひとつだけ言えることは」

両隣がこちらを向いた。照れつつも、続けた。

「感謝してんのは、こっちの方だってことだ」

あいつのおかげで今、俺はこの世界に居る。
散々世話を焼かされたが、おかげで自立した。
もし仮にあいつが本当に有能な女神であれば、俺はずっとダメな人間のままだっただろう。

「アクアに感謝しないといけませんね」
「そうだな」

なんのことかと首を傾げると、両隣から。

「カズマを立派に育ててくれたことをですよ」
「そうだな。ま、まあ……私としては駄目人間でも全然構わないというか、むしろその方が……」
「台無しですよ、ダクネス」

本当に駄目人間をやめられて良かったと思いつつ、今度こそ朝までぐっすりと俺たちは眠り。

「カ、カズマ! 見て! 今朝起きたら枕元にこれがあったの! 私ってば日頃な行いが良いからきっと地球からサンタさんが来てくれたのよ!」

翌朝。
何やら興奮状態のアクアに起こされて。
昨夜枕元に置いといた、とっておきの高級しゅわしゅわを抱きしめて喜ぶアクアに念を押す。

「良かったな。ちゃんと良い子にするんだぞ」
「うん! わかったわ!」

ちなみにめぐみんの枕元には尿瓶を置いといた。


【この素晴らしい聖なる夜に祝福を!】


FIN


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
18Res/19.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice