8: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:17:56.25 ID:yU6CR/tX0
「目の前で話してたら気付くってばっ」
「すごく集中してらっしゃったので……」
9: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:18:27.32 ID:yU6CR/tX0
「えっと、うんと、正直に言うと面倒なことはナシの方向で……」
「……残念ですっ」
10: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:19:51.04 ID:yU6CR/tX0
◇
11: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:21:00.00 ID:yU6CR/tX0
「美世サン、なるべくラクな感じの方向でー!」
「もうっ、柚ちゃんったら」
12: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:21:35.77 ID:yU6CR/tX0
まだ始めのころのレッスンだからトレーナーさんなしで、まずは課題を自分たちで消化するところがスタート。この3人と一緒のレッスンはなかなか楽だなって思うことがある。だってボーカルは肇チャンが、ダンスは悠貴チャンが、ビジュアルは美世サンがとっても頼りになるから。
「うぇっ、アタシ、課題多くないカナっ?」
13: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:22:12.00 ID:yU6CR/tX0
「しょうがないっ……今日もゆるーく、楽しく、レッスン、レッスンっ!」
アタシはずっと、お気楽に鼻歌フフフーンって生きてきたと思うんだ。それはあんまりアイドルになってからも変わっていなくて、これからも変わっていかないのだろう。だってそれがフツウの子に唯一できることだから。
14: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:22:40.12 ID:yU6CR/tX0
◇
15: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:23:14.27 ID:yU6CR/tX0
「なぁ、柚」
アタシの家が近づいてきた頃。そのトスが急に鋭くなったことを声色で気付いて、アタシは身構える。なにか怒られることしちゃったかな。トレーナーさんに怒られるのは慣れっこだけど、プロデューサーサンに怒られるのはイヤだなぁ。一度深呼吸をしたことを気付かれないように祈りながら、ロブを打つようにできるだけふんわりと返す。
16: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:23:44.01 ID:yU6CR/tX0
「……っ」
それは難しいコトなんじゃない? アタシの中の警報が真っ先に告げる。真ん中ってのは全力で頑張るコトをしているヒトのための場所なんじゃないかって。そこにアタシが相応しいとはどうしても思えなかった。
17: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:24:26.17 ID:yU6CR/tX0
急にプロデューサーサンが分からなくなった。アタシの気持ちを分かってくれているのか、そうじゃないのか。
「あ、アタシはっ」
18: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:24:53.64 ID:yU6CR/tX0
託されようとしているものの重さなんか知らないくせに、膨らむばかりの想像に苦しむ。いろんな人にがっかりされるアタシの幻にカラダの震えが止まらない。これは冬のせいかな、それともプロデューサーサンの、アタシのせいかな。 答えに迷っている間に車はアタシの家の前に着いていた。
「今すぐ答えがほしいわけじゃないよ、ちょっと考えてみてほしい」
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