喜多見柚「フライバイ」
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5: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:16:05.54 ID:yU6CR/tX0





 冬がぴゅっと冷たい風と一緒にやってくると、アタシはどうしようもなく嬉しくなる。みんなにお祝いしてもらえる誕生日があるし、プロデューサーサンと出会った想い出の聖夜だってある。お仕事だって、お遊びだって、年の終わりに向けて心残りをすべて片付けてしまおうと、みんなでてんやわんやの大騒ぎ。

 忙しいことは良いこと! 

 なかなか鳴り止まない携帯の通知を横目に、プロデューサーサンが持ってきてくれるたくさんの楽しいを両手いっぱいに抱えられるそんな季節が好きだ。アタシ的にちゃんと言い直すなら好きになった。

 友達と遊ぶ放課後も、ゆるーくバドミントンする夕暮れもキライじゃなかったけれど、きっとアタシはなにか物足りなかったんだと思う。不満もないけど、ロマンもない、みたいな。今の柚は待ってればサンタさんがもっと楽しいことをプレゼントしてくれる。そんな今が「ちょうどよくて」、ついぼーっとしてしまったり。

 だからこんな感じに思いがけないプレゼントがびっくり箱だといつも以上に驚いてしまう。


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