喜多見柚「フライバイ」
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44: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:38:06.69 ID:yU6CR/tX0


 プロデューサーサンの手拍子に合わせて振り付けを何度も何度も確認する。踊れなかったことが踊れるようになるのは楽しい。歌えなかった音域が出るようになるのは楽しい。でもそんなことを感じてる余裕もないくらいに真面目に向き合わなくちゃいけない。今は見えないみんなの声や振り付けを想像しながら、プロデューサーサンの視線を一点に集めながら。

「それ、プロデューサーサンのカメラ?」

「ん、レッスンの風景とかも残しておきたくてね」

 プロデューサーサンは合間、合間にアタシの姿をしっかりしたカメラに収めていった。なんだか恥ずかしいなーと思いつつも、なんだか抗議するような気分でもないので、撮られるがまま。今のアタシにとってとりあえずそんなことより練習の方がずっと大事だった。


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