32: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:32:24.55 ID:yU6CR/tX0
「んー」
悠貴チャンのどうなんだろうという小さな呟きは足音にかき消されてしまいそうだった。だからアタシは答えるのをやめてしまう。アタシのイメージするセンターと、悠貴チャンのイメージするセンターは少し違うのかもしれない。これはアタシが無事にセンターを務められたら聞いてみようと思う。
33: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:33:03.90 ID:yU6CR/tX0
◇
34: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:33:32.32 ID:yU6CR/tX0
「どうかなっ?」
「はいっ、うんと、柚ちゃんはソロが多くなるのでもうちょっと声がでるといいですね」
35: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:34:06.06 ID:yU6CR/tX0
「でも柚ちゃんには柚ちゃんの歌い方ってあると思います」
「えーっ、そうかなぁ」
36: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:34:32.81 ID:yU6CR/tX0
◇
37: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:35:00.18 ID:yU6CR/tX0
センターって指揮者みたいだって感じた。
アタシを中心にして、周りに悠貴チャン、肇チャン、美世サンがいる配置。アタシのことが見えていても、いなくても、振りで、声で、アタシは全体の流れを作らなくちゃいけない。アタシが基準なんだってことになかなか慣れない。いつもなら気にしないことばかり気にしてしまって、振りも歌もワンテンポ遅れがちになってしまう。そうするとみんなにも影響が出て、微妙なズレがさらに大きな違和感になる。
38: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:35:26.69 ID:yU6CR/tX0
「あーっ、わかんないっ」
でも分からないものは分からない。声掛け、歌い出し、ソロ、振りの微調整、MC、普段と変わらないようで確実に増えた面倒なコトがアタシに雨あられと降り注いでくる。アイドルって本当に大変だ。誰もが憧れる場所に立つならミスなんてしてられない。
39: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:35:52.94 ID:yU6CR/tX0
◇
それから数週間。アタシの苦闘は続いていた。
40: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:36:20.57 ID:yU6CR/tX0
「ちょっとずつカタチも見えてきたよね」
「ステージのことっ?」
41: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:36:46.93 ID:yU6CR/tX0
「えへへ、アタシ普段テキトーだもんね」
「そ、そこまでは言ってないって」
87Res/58.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20