喜多見柚「フライバイ」
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14: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:22:40.12 ID:yU6CR/tX0





以下略 AAS



15: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:23:14.27 ID:yU6CR/tX0


「なぁ、柚」

 アタシの家が近づいてきた頃。そのトスが急に鋭くなったことを声色で気付いて、アタシは身構える。なにか怒られることしちゃったかな。トレーナーさんに怒られるのは慣れっこだけど、プロデューサーサンに怒られるのはイヤだなぁ。一度深呼吸をしたことを気付かれないように祈りながら、ロブを打つようにできるだけふんわりと返す。
以下略 AAS



16: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:23:44.01 ID:yU6CR/tX0


「……っ」

 それは難しいコトなんじゃない? アタシの中の警報が真っ先に告げる。真ん中ってのは全力で頑張るコトをしているヒトのための場所なんじゃないかって。そこにアタシが相応しいとはどうしても思えなかった。
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17: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:24:26.17 ID:yU6CR/tX0


 急にプロデューサーサンが分からなくなった。アタシの気持ちを分かってくれているのか、そうじゃないのか。

「あ、アタシはっ」
以下略 AAS



18: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:24:53.64 ID:yU6CR/tX0


 託されようとしているものの重さなんか知らないくせに、膨らむばかりの想像に苦しむ。いろんな人にがっかりされるアタシの幻にカラダの震えが止まらない。これは冬のせいかな、それともプロデューサーサンの、アタシのせいかな。 答えに迷っている間に車はアタシの家の前に着いていた。

「今すぐ答えがほしいわけじゃないよ、ちょっと考えてみてほしい」
以下略 AAS



19: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:25:27.43 ID:yU6CR/tX0





以下略 AAS



20: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:25:56.10 ID:yU6CR/tX0


「次はなにしよっかーっ♪」

 それをできるだけ顔に出さないようにいつもよりもはしゃいでみたりする。そんなアタシはピエロみたいだと思う気持ちを精一杯誤魔化そうとするけど、全然追いつかない。いつか誰かにそっと触れられてしまうことが怖い。それなんだったらいっそのこと。
以下略 AAS



21: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:26:22.22 ID:yU6CR/tX0


「柚ちゃん、どうかしました?」

「……今度の公演でセンターをやらないかって」
以下略 AAS



22: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:26:55.94 ID:yU6CR/tX0


「えっ、えっ、みんなは迷ったりしないの?」

「うーん、ちょっと勇気がいるなって思うことはありますけどっ」
以下略 AAS



23: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:27:37.08 ID:yU6CR/tX0


 みんなにとってのトクベツがどこかにあるんだってことをアタシはまた目の前で見送るだけなんだろうか。好まれるような強くて優しいヒトじゃないのは、そして、どやってできるなにかがないのは、どうしてだっけ。

 アタシにとってセンターは眩しいスポットライトのあたる場所。トクベツなヒトのための場所だ。
以下略 AAS



24: ◆tues0FtkhQ[saga]
2019/12/25(水) 00:28:04.14 ID:yU6CR/tX0





以下略 AAS



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