3:名無しNIPPER
2019/12/24(火) 12:10:18.22 ID:x2niqiOD0
車を店の前の駐車場に停め、財布だけを周子に渡して二人で閉店間際のスーパーへと入っていく。
周子がお惣菜売場の方に行くのを見届けながら暇そうに片づけをしていた店員に声をかけ予約していたケーキを持ってきてもらう。
暇だから見える範囲で周子を目で追いかけているが何を買ってるのかまでは見えない。まあ時期的にチキンとかになりそうではあるが。
そうこうしていると店員さんがケーキの箱を持ってきてくれたのでお礼を告げ、受けとる。
見ると周子も既に会計を済ませたのか両手にビニール袋を抱えて早く行こうと言わんばかりに出口に向かっているのでそのあとを付いていく。
「で、何買ったんだ?」
「ふ、ふっふーん、後のお楽しみ」
「後のってお前寮で食うんじゃないのか?」
「せっかくだからプロデューサーさんも家で少し話してきなよ。その間待ちながらここで食べるからさ」
「お前なあ……まあいいか。お言葉に甘えて少しだけ顔見せてくるよ。悪いな」
礼を告げつつケーキや周子の買ってきた食べ物を後部座席に落ちないように置いて車を発進させる。
「そういえばアタシを待ってる間車で何をしてたの?」
「ん、まあせっかくクリスマス前だからちょっと車にあるテレビでビデオ観てた」
「ほうほう、クリスマスだから観るなんてお洒落なドラマでも観てたの?」
「いや……ビデオレターで泣けるやつ」
「……あー……プロデューサーさんというか男の人はロボット好きだもんね」
そんなたわいもない会話をしていたら数年前まで住んでいた実家へと到着する。家の前に車を停め、周子に待っててくれと告げケーキを片手に車から出る。
ふと振り返ると手を振りながらこっちを見ないで後部座席の袋へと手を伸ばす姿が見えて相変わらず食い気だなと笑みがこぼれる。
6Res/10.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20