9:名無しNIPPER[saga]
2019/12/16(月) 01:44:43.37 ID:w7wIwWN50
「すいませんねぇ。うちの息子が誤解するような真似をして…」
そんな冠城に男が声を掛けた。男は少年のことを息子と呼んだ。
察するにこの二人は親子らしい。思わず顔を見比べてみるがどうにも似ていない。
本当に親子なのかと疑ってしまうがまあ本人がそういうのならそうなのだろう。
「お父さん、これは明らかに万引き行為ですよ。さすがに警察を呼ばせてもらいます。」
「いやいや、子供の悪戯じゃないですか。それにまだここは店の中ですよ。外に出たのならともかく店の中でならまだ万引きにならないでしょ。」
父親である男からそんな指摘を受けて今頃気づかされたがここはまだ店内だ。
万引き犯を取り締まるには会計をせずに店の外へ出た場合だ。
つまりこの状況なら本人たちが子供の悪戯だと主張されたらそれまで…
隣で動向を伺っていた右京も思わず渋い顔で冠城を睨みつけた。
まずい…しくじった…思わずそう嘆くしかなかった…
「とりあえず迷惑かけてすいません…ほら…お前も謝れ…」
「ごめん…なさい…」
その場で謝罪を済ませると父親は息子を連れてすぐに店を出て行った。
この状況で再び万引きを行うことはないだろう。
だがこれで事態が解決したわけではない。
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