74:名無しNIPPER[saga]
2020/01/01(水) 11:34:31.42 ID:12PeC/pS0
「あの…さ…盗んじゃいけないの…」
「どうした?何の話をしてるんだ。」
「婆ちゃんのモノを…みんなが取っているんだ…これって悪いことなのかな…」
祥太は動揺した素振りを見せながらも何かを懸命に訴えようとした。
恐らくあの家で何かが起きた。だが直接伝えることは出来ない。
その理由は恐らく家族にあるのだろう。だからこうして言葉を濁しながら目の前にいる右京と冠城にそのことを伝えようとしていた。
そんな祥太の訴えを聞いた右京は毅然とした態度でこう答えた。
「それは悪いことです。」
「悪いって…けど…みんなは…いいって…言ってたのに…」
「いいえ、決して良くはありません。家族であろうと人のものを盗んではいけないんですよ。」
右京らしい正しい返答だった。冠城もその言葉に賛成だ。
だが祥太はちがう。その返答を聞くとさらに顔が険しくなった。
こんな幼い少年が一体どうして…
すると祥太は何かを決意したかのような顔つきになった。そして…
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