66:名無しNIPPER[saga]
2020/01/01(水) 11:02:04.89 ID:12PeC/pS0
「アンタ…家族いるかい…」
「昔は結婚していました。まあ…互いの不一致で離婚しましたが…」
「そうかい…どこも同じなんだね…」
今の話だが察するに初枝は自らの境遇について思うところがあるのだろう。
それは昨日聞かされた前夫の不貞によるもの。
右京も自分が離婚した時のことを思い出していた。
初枝のように不貞など犯したわけではないがもう少しお互いを理解すればもっと歩み寄れる道もあったかもしれない。
だがそれはたらればの話だ。今更そんなことを考えても無意味でしかない。
「これは僕の推理ですがあなたは擬似家族を演じていたのではありませんか。」
「擬似家族…?どういう意味だい。」
「あちらに居られる柴田治さんと信代さんですがあなたとは血縁関係のない垢の他人でしょう。
昨日あなたが訪ねた柴田譲さんからお話を伺いました。
あなたは前夫との間に子供を作ってはいない。つまりあなたに子供はいない。
柴田家であなたと血の繋がりのある人間は一人もいないのではありませんか。」
それがここまで捜査してわかったことだ。
もしも初枝が離婚後に子供を作っていたとしたら旧姓の『柴田』という苗字を変更しているはずだ。
だが初枝は現在も柴田という姓を名乗っている。
つまり初枝は離婚後も誰かとの間に子供を作ってなどいないということだ。
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