64:名無しNIPPER[saga]
2020/01/01(水) 11:00:08.39 ID:12PeC/pS0
翌日、柴田一家は家族揃って海に出かけた。前から予定していた旅行だ。
海に着くとさっそく祥太が衣類を脱いで海へと駆け込んだ。
治も足の包帯を取って祥太に続いた。
二人はまだ水着も付けないで下着姿のままで海水浴を楽しんでいた。
そんな男たちがはしゃいでる中でりんも初めての海に興奮した。
信代と亜紀もりんの面倒を見ながらそれぞれこの海水浴を満喫していた。
「まったく…能天気だねぇ…」
浮かれる家族に対して唯一人初枝のみが悲観的だった。
そんな初枝だがなにやら体調が悪いらしく砂浜に敷いたシートで座ったままだ。
「いいじゃないの。こういう時はパーッと騒がないとさ。」
「こんなの長続きしやしないよ。」
「そんなことない。りんだって家族の一員になって血の繋がりなんて関係ないって!」
血の繋がりなんて関係ない。そう言い聞かせるようにして信代は亜紀とりんを連れて祥太たちの元へと駆け寄った。
家族揃って手を繋ぎながら波際で楽しく遊んでいた。
「家族…だねぇ…」
初枝はそんな彼らを砂浜にて眺めていた。誰もが幸せそうな笑顔でいてくれている。
本来ならこれはどこにでも有り触れている一家団欒な光景のはず…なのに…
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