110:名無しNIPPER[saga]
2020/01/01(水) 18:20:37.78 ID:12PeC/pS0
「キミたちは過ちを犯した。それは決して許されないものです。」
「ですがその罪を裁くことは出来ません。まだキミたちは幼い。」
「それでもお爺さんの前で謝るべきです。それが償いの一歩なのですから。」
右京の厳しくも正しい発言を告げると祥太とじゅりは恐る恐る店の中へと入った。
店に入ると同時に誰もが二人を敵視した。
二人は知らないのだろうが子供たちはこの辺りで万引きを繰り返していた。
この場にいる誰もが二人の行いを知っている。子供たちは罪悪感もなく盗みを働き続けた。
今更何をしに来たのか。もう遅いんだぞと睨みつける有様だ。
そして子供たちも今頃になってようやく理解した。人のものを盗むのは悪いことだと…
だからこうして憎まれ恨まれていることを理解した。
祥太は目から涙を溢しじゅりもまた泣き出した。
自分たちがこうまで憎まれていたとは思わなかった。けどやらなければならない。
ようやく遺影の前にたどり着き二人は泣きながらもこう告げた。
「―――――お爺さん。ごめんなさい。」
二人は静かに謝罪を込めた言葉を述べた。
傍で見守っていた右京と冠城もこれでようやく事件に一幕下ろせたと感じていた。
もしも柴田一家を称するのなら万引き家族とでもいうべきだ。
この万引き家族は人の絆を盗んだ。モノだけでなく子供たちすら…
そんな盗み続けた家族は最悪の結末を迎えた。
この先彼ら万引き家族が再び揃うことはないだろう。
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