103:名無しNIPPER[saga]
2020/01/01(水) 18:11:32.67 ID:12PeC/pS0
「あのお爺さんは子供たちを気に掛けていた。だから万引きを見逃していた。
けど実際にお爺さんは亡くなってしまった。あの子たちの理解者になってくれるかもしれなかった人なんだ!」
「そんなの濡れ衣よ…万引きくらいで人が死ぬわけないじゃない…」
「そうでしょうか。駄菓子屋さんは小さなお店でした。
そんなお店で商品を度々盗まれれば売上に大きく影響します。それは生活が困窮することだってありえます。
あなた方にもその覚えがあるはずですよ。」
右京の言葉に治と信代は大いに心当たりがあった。その通りだ。
じゅりがやって来てから柴田家は治が怪我を負い信代がリストラにあい仕事を失い生活は困窮していた。
お金が入らなければ生活は成り立たない。それは死にさえ繋がるということは二人がよくわかっていた。
「だって…それしか教えることが何もなかったんだ…」
治はそうボソリと呟いた。窃盗の常習犯である自分には他に教えることが何もなかった。
それがまさか人を死なせるなど誰が予想できただろうか。
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