9: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:22:51.37 ID:nY0iWbpOO
「昨日まで、ううん。ほんの少し前までの美穂を信じてあげて。そうすれば自信が生まれないかな?」
「はい、なんだか気持ちが楽になった気がします。そうですよね、これまでの私を信じてあげなきゃですもんね」
「それは良かった」
「ありがとうございます、プロデューサーさん。これまでも、これからも。改めてよろしくお願いします」
「ああ、こちらこそ」
美穂のモチベーションは高まっているように見えた。ありがとう、数学の高橋先生。関数は役に立たなかったけど貴方の言葉がアイドルの心を救いました。
「ところで、プロデューサーさんはどんな18歳だったんですか?」
「え? 俺?」
「ちょっと気になっちゃって」
思いもよらぬカウンターに少し驚く。そういや自分の青春時代の話あんましたことなかったな。
「美穂が期待してるほどの18歳じゃなかったぞ? 進路なんてまともに決まってなかったし、ただ何となく……昔からアメリカに憧れがあったから英文学科に入って、今に至る」
いつか見たハリウッド映画のスターと一緒に仕事がしたい! なんてふんわりと思ってたくらいで、明確なビジョンなんてものはなかった。だから入った英文学科は自分が思っていたものと違っていて苦労したものだ。最後の方は遊び呆けて卒業も怪しかったし。この仕事だってバイト中に社長の気まぐれでスカウトされたようなものだ。英文学科ほぼ関係ないよな、うん。
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