女「私、あなたのことが好きになってしまいました」
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39: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/15(日) 23:00:36.09 ID:oirh8cVe0
女「分かれ道です。男さんの家はどちらですか」
男「え、僕はこっちだけど」
女「なるほど。私は逆です」
40: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/15(日) 23:03:58.17 ID:oirh8cVe0
彼女は、不思議な人だ。
好きな人に対して、好きな人にどう対応すればいいかと問う。
あまりにもナンセンスだ。
41: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/15(日) 23:04:40.73 ID:oirh8cVe0
女「おはようございます、男さん」
男「お、おはよう」
次の朝。教室に着くなりいつも通りの変わらない挨拶を済ませて、僕はストーブをつけた。
42: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/15(日) 23:05:10.29 ID:oirh8cVe0
女「はい」
男「昨日の質問について、なんだけど」
女「はい」
43: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/15(日) 23:09:37.67 ID:oirh8cVe0
女「やっぱり、私は男さんのことが好きなようです」
男「え」
女「また一つ、質問をしても良いですか」
44: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/15(日) 23:11:42.36 ID:oirh8cVe0
ここまで。また後日。
45: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/18(水) 22:07:31.27 ID:XxmaiqzQ0
男「え」
女「男さんの、好きな人を教えてください」
男「む、昔の話だよ?」
46: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/18(水) 22:10:16.53 ID:XxmaiqzQ0
男「む、昔の話だからね……」
僕は重ねて言って、彼女と少しだけ距離を置いて、話し始めた。
男「中学の頃に、陸上部の先輩がいてさ。凄い明るくてムードメーカーの」
47: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/18(水) 22:14:06.12 ID:XxmaiqzQ0
女「悲しい、ですね」
男「いやあ、別にそんなこともないよ」
女「そうなのですか」
48: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/18(水) 22:16:38.48 ID:XxmaiqzQ0
女「私の気持ちは、『憧れ』なのでしょうか」
胸に手を当てて、彼女はそう呟いた。
女「男さんに好きな人がいた、と聞いて、胸が少しだけ、キュッと締め付けられるような」
49: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/18(水) 22:23:39.95 ID:XxmaiqzQ0
男(……気まずい)
気づけば二人で寄り添うように、ストーブで暖を取る。
身体は少しずつ暖かくなっていくけれど、冬の空気は冷え切っていた。
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