渋谷凛「これは、そういう、必要な遠回り」
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41: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:55:37.34 ID:clFucneV0

「でも、その、なんだろう。いなくなったら探してもらえるくらい大事に思ってもらえていた、ってのは嬉しいもんだな」

「これからはそういう悩み事は私に言いなよ。聞いてあげるから」

「聞いてくれるだけなんだ」

「解決はしてあげられないと思うからね。でも、どうしよう、ってなったら私に言ったらいいよ」

「言ったら、どうしてくれるの」

「私も、どうしようってなってあげる」

「それは頼もしいなぁ」

「でしょ?」

「うん。すごく。……それにしても、なんで俺に会いに行こうと思ったの?」

「ああ、それは一応ちゃんとした理由があるにはあるんだけど、今はもうどうでもよくなっちゃった」

「よくわかんないんだけど」

「ほら、手段が目的になった、っていうか。プロデューサーに会うことが目的になっちゃってたから」

「あー」

「だから、そんな感じ」

「そっかそっか。にしても、泣いちゃうくらい会いたいと思ってくれてたなんてなぁ」

彼は先ほど身の上を語っていたときとうってかわって、にやけた顔を晒して小突いてくる。

そっちがその気なら、私にも考えがあった。

久しぶりに思い出させてやろう。私を怒らせると怖いということを。



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