ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ドラ子・マルフォイ「……はい」
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45:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/07(土) 22:50:30.99 ID:kNKMPaOnO
「ねえ、ハリー……もう寮に戻ろうよ」
「君たちは先に戻ってていいよ」
「私達だけ帰れるわけないじゃない!」

ハリーと彼を支えるドラ子は点々と床に滴った血痕を辿り、校舎の4階まで辿り着いた。
ロンとハーマイオニーはそんな彼らが心配で放っておけず、帰れと言われても付いてきた。
既に他の生徒達は寮で待機しており、教授陣はハリー達がトイレを後にした直後、倒れ伏したトロールを発見したらしく、当分はここまで来ないだろうと思われた。静けさに満ちていた。

「この扉の前で、血痕が途切れていますね」
「中に入ってみよう」

重厚な扉の前で、血痕が途切れていた。
ハリーはドラ子と2人で、扉を開いた。
彼女は主君が言っても聞かない人だと理解していたので、せめて危険が迫ったら盾になろうと覚悟を決めていた。しかし、前言撤回しよう。

なんだ、あの首が3つもあるデカイ犬は。

「ご、ご主人様! 寮に戻りましょう!?」
「ご主人様はやめてくれ。ただの犬じゃないか。しかも、今はグッスリ寝ているようだ」

ドラ子はガタガタ震えながら意見具申したが聞き入れて貰えず、主人に促されて犬を観察すると、たしかにスヤスヤ寝息を立てていた。

「あれはきっとケルベロスね。本で見たわ」

読書家のハーマイオニーがデカイ犬の正体はケルベロスであると見抜いた。誰だってわかる。
他にあんな大きな3つの頭を持つ犬など居ない。

「あそこに扉があるね」

ハリーに言われてドラ子が目を凝らすと、たしかにケルベロスは床に設置された扉を守るように蹲り、いびきをかいて熟睡していた。

「オルゴールが鳴っているみたいだね。ケルベロスはオルゴールの音色が好きみたいだ」
「たしか、禁じられた森の番人のハグリッドが以前、そんなことを口走っていたわね」

ロンとハーマイオニーがそんな会話を交わす。
どうやらケルベロスが寝ているのはこの部屋に流れるオルゴールの音色のおかげらしく、つまりそれが終われば、目覚めると予想した矢先。

「あ、聞こえなくなった」
「皆、走れ!」

目覚めたケルベロスの足元へと、滑り込んだ。


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