ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ドラ子・マルフォイ「……はい」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/07(土) 21:55:49.79 ID:kNKMPaOnO
「ハリー」
「なんだい、ドラ子」
「スネイプ教授に謝るべきよ」

騒乱に満ちた授業が終わったあと、ドラ子はハリーを呼び止めて、頬を膨らませて怒った。

「あんなの軽いジョークじゃないか」
「スネイプ教授はジョークがお嫌いなの」

かぼちゃジュース味のアメーバのタネは簡単であり、単純に教授の目を盗み、かぼちゃジュースを鍋に入れて片栗粉をまぶして煮ただけだ。
だから当然、かぼちゃジュース味なのだった。

だからそんなくだらないことで本気で怒られても困るのだが、へそを曲げたスネイプ教授は教室の隣の研究室に引きこもっているらしく、ドラ子はその扉を指差してハリーを説得した。

「教授は研究室にこもってらっしゃるわ」
「そこに行けって? 怒られるだけだよ」
「怒られに行くのよ」

怒られないようにしようと思うのがそもそも間違いであり、謝罪するならばひとまず思う存分に怒られるべきであるとドラ子は言っている。

「でもあの人、僕のこと嫌いだし……」
「私もついて行ってあげるから」

スネイプ教授のお気に入りのドラ子が同伴すれば、たしかに多少は怒りが和らぐと思われた。

「ありがとう、ドラ子。助かるよ」
「べ、別にいいわ……だって、その……」
「ん? なんだい?」
「お、お友達だからっ……!」

思えばハリーを友達と呼んだことはなかった。
ドラ子にとって彼は同級生だけど、上位者だ。
でも、一緒に先生に謝りに行く今なら言えた。

「うん。君は僕の最高の友達だよ」
「っ……こ、光栄でふ」
「君って、ときどきおかしくなるよね」
「お、おお、おかしくないもん!」

自分をおかしな存在に変えてしまうハリーこそがドラ子には不可思議で、おかしいと思った。


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