57: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/12/04(水) 18:47:49.67 ID:86FQdztyO
「さて、そろそろ帰るか」
「そうですね……お疲れ様です」
コーヒーを飲んで一仕事終えているうちに、窓の外は橙から黒に変わっていた。
最近こんな事ばかりだなぁ。
あっという間に外は夜になってしまう。
甘奈と甜花は、既に帰っている様だった。
「千雪は待っててくれたのか?」
「はいっ。折角ですから、一緒に帰りたいと思ったので」
「……ありがとな」
四月になっても、まだ冬の寒さは残っているだろう。
窓の外に吹く風を見て、それだけで身体が震えた。
手袋とマフラー、持ってくれば良かったかもしれない。
温かい季節になるまで、あとどのくらいだろう。
「それじゃ、帰ろうか」
……それでも。
千雪と一緒に並んで帰れるなら、心は温まるだろう。
「はい、帰りましょう。兄さん」
そう微笑んで、俺の隣に立つ。
これが、俺の幸せだ。
この場所が、この283プロが、俺の幸せの全てだ。
この幸せがずっと続いて欲しいと、俺は思った。
俺は扉を開ける
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