【シャニマス】アルストロメリアと幸せな日常
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45: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/12/04(水) 18:41:23.60 ID:86FQdztyO



 幸せだった。

 俺は、とても幸せだった。

 長女の千雪と。
 次女の甜花と。
 三女の甘奈と。
 三人の妹と暮らして、これ以上ない程幸せだった。

 朝、千雪に起こされて。
 甜花の作った朝食を食べて。
 甘奈が明日の朝食を作る約束をしてくれて。
 幸せな日常だった。

 今までずっと幸せだったのだから、きっとこれからも幸せなのだろう。
 この幸せは、きっといつまでも続いてくれるのだろう。
 それは、とても幸せな事だ。
 壊れない幸せが、最も幸せな事だ。

 ……その、筈だった。

「……流石、千雪お姉ちゃん……ううん、師匠……!」
 
「ありがとう甜花ちゃん。ハイ、ターッチ!」
 
 ぱちん、とハイタッチを交わす甜花と千雪。
 そんな光景を眺めながら食べる朝食は、間違い無く幸せな筈なんだ。
 なのに、この気持ちはなんだろう。
 言葉にしがたい、奇妙な感情だ。

 虚無感なのだろうか。
 喪失感なのだろうか。
 足りないとは違う。
 けれど明確に、俺は何かを求めていた。

 ……俺は、どんな風に幸せになりたかったのだろう。

 今は確かに幸せだ。
 きっと普通なら求めたって手に入らない幸せだろう。
 だが、俺が求めた幸せは『この幸せ』だっただろうか。
 ずっと今までと同じ幸せな日常を過ごして来た俺が、『この幸せ』を望むだろうか。

 ケチをつけるところなんて無い。
 足りないモノなんて無い。
 きっと、これ以上の幸せなんてない。
 それでも、心の何処かで俺は感じていた。

 俺の望んだ幸せはーー





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