【シャニマス】アルストロメリアと幸せな日常
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24: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/12/04(水) 18:27:23.53 ID:86FQdztyO


『……ふーん、なるほどね。それであんたは家から出られなくなっちゃった、と』

「あぁ」

『で、ようやくまともな反応が返ってきて咽び泣いてた、と』

「おう、信じられないかもしれないが困った事に本当なんだ」

『信じられるワケ無いでしょバッカじゃないの?! ……って言いたいとこだけど、まぁあんたが嘘を吐いてる様でも無さそうね』

「あぁ、冬優子に嘘は吐かない。絶対だ、命を賭けても良い」

『……あんたがそんなに必死なの、初めてだったし……泣いてるのも……』

 俺以外にも嘘みたいな出来事が乱発しているからだろう。
 冬優子はあっさりと、俺の嘘みたいな今日を信じてくれた。

『あっちょっと待ってあさひが窓から出ようとしてる! ちょっとあさひ! それでハトに乗れるのは真乃だけだから! 馬鹿な事してないでそこで正座してなさい愛依は抑えてて!!』

 何をしているのか、何となく想像がついた。

『……あ、窓からは出られないの?』

「……窓、か」

 そう言えば確かめていなかった。
 玄関が無理なら窓も無理な気はするが、試してみる価値はあるだろう。

『それとメモね。それはあんたの唯一の武器なんだから大切に使いなさい。三人に見つからない様にするのは大前提ね』

「そのつもりだ。今回のメモで全部思い出せる事は分かったから今後はこの文面で行く」

 飲み込みが早くて助かる。
 そう言ったループモノのアニメを結構見ていたのだろうか。

『それと……問題は三人ね。誰か一人、味方につけられたりはしないの?』

「…………」

『あんたがきちんと『こうしたい』って向き合えば、一人くらいは信じてくれる馬鹿がいるんじゃない?』

「……体験談か?」

『切るわよ』

「悪かった」

 でも、そうか。
 千雪は無理にしても、甘奈か甜花なら協力してくれるかもしれない。
 俺はこの世界から外に出たい事。
 プロデューサーとして、アイドルであるお前たちを幸せにしたい事。

 それをきちんと真正面から伝えるのも、大切かもしれない。

 ダメだったらどの道今日に戻るだけだ。
 失敗を持ち越さずに次に挑めるのは、俺だけのアドバンテージなのだから。

『あんたを泣かせるなんて、そんな世界は絶対に幸せじゃないわ。必ず抜け出しなさい』

「……ありがとう、冬優子』

『……あんたが戻って来てくれないと、ふゆ心細いじゃない』

「……俺も、冬優子の声を聞けて良かったよ」

『ちゃんと戻って来るのよ』

「……あぁ」

『おい馬鹿っだから窓からジャンプするな芹沢あさひぃぃぃぃっ!』

 ピッ

 ……さて、それじゃあ。
 冬優子の言っていた通り、ぶつかってみるか。

「ふふ、兄さん。今、誰と喋っていたんですか?」

 ……それは、次の俺に持ち越しになりそうだ。







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