101: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:00:59.90 ID:/pT5YGo8o
赤城「ッ!」
アマゾン「平和な海を取り戻すために……より良い世界を創り上げていくために。私達はその想いを一身に受け、船の記憶より建造される」
アマゾン「そうして生まれた私達は、役目を果たすために衣食住さえも保証され、国の支援の中で安住を約束される。言うなれば、あの港全てが人の想いの結晶だ」
102: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:01:27.51 ID:/pT5YGo8o
ロング「確かに、私もお仕事は嫌いだし……よくサボっては、指揮官さんに叱られもしたの……」
ロング「でも大体は拳骨ひとつで終わらせてくれたよ! 玩具もゲームも取り上げられはしなかった!」
ロング「決まりごとさえ守っていれば、私達も自由でいることを守って貰えたの!」
103: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:01:54.15 ID:/pT5YGo8o
ロング「私は欲張りだから……お部屋にあるものも、次から次へと大事になっちゃって……それでよくベルファストに叱られたりもするんだけど……」
ロング「あそこで生まれて感じた事も、皆と過ごした思い出も、指揮官さんとも比べられないくらい唯一無二の大事なものだったの」
ロング「赤城は違うの? 捨てたくないもの、他の何にも代えられないもの、母港にたくさんあったんじゃないの?」
ロング「それとも、赤城は……あそこで生まれたお陰で、指揮官さんと出会えた事さえ、間違いだったと思うの?」
104: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:02:21.03 ID:/pT5YGo8o
赤城「……私の願いが聞き届けられるまでに、どれだけの時間が掛かるの?」
赤城「今の環境が変わるまでに、指揮官様は生きていられるの?」
赤城「私達が人と結ばれても許されるまでに、戦いは終わるの!?」
赤城「現に指揮官様の訴えは届かなかった。不幸にも片腕を失いもした!」
105: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:02:48.27 ID:/pT5YGo8o
爆炎が踊る。轟音が歌う。
悪い夢にせめてもの彩りを加えるかのように。
106: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:03:15.48 ID:/pT5YGo8o
………………
…………
107: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:03:42.16 ID:/pT5YGo8o
赤城「指揮官様……指揮官様」ズルッ……
指揮官「…………」
108: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:04:09.78 ID:/pT5YGo8o
赤城「ふ、ふふ……浅ましいこと。天女に焦がれて羽衣をくすねた所で、卑劣な輩の行く末なんて分かりきっていた筈なのに」
指揮官「……赤城……」
109: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:04:37.09 ID:/pT5YGo8o
加賀「姉様!?」
アマゾン「馬鹿者、ベルファスト!! 何故撃った!?」
110: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:05:03.83 ID:/pT5YGo8o
朝日が差し込む。縋るように伸ばされた片腕は、光の中で少しずつ輪郭を失い、やがて消えていった。
同時に、その袖の下から何かがひとつ転がり落ちる。
111: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:05:30.86 ID:/pT5YGo8o
指揮官「……これは、プラスチックの……パック? 何故こんな物を……」
加賀「……その容器は、お前が姉様に贈ったものだそうだ」
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