博士「どんな本が読みたいんだい?」ホムンクルス「恋愛……小説が読みたいです」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/01(日) 23:35:11.50 ID:H1GMKT+vO
「3698番」
「はい、博士」
「君の小説を読ませて貰った」

人工生命体はやりきったような顔をしている。

「結論から言おう」
「はい、どんとこいです!」
「今までで最悪の出来だ」
「そ、そんなぁ!?」

信じられないとばかりに詰め寄ってきた。

「ほら、ここ! ここみてくださいよ!」
「この場面がどうかしたのか?」

それは意地悪な博士にお尻を叩かれた姉妹を健気な主人公が優しく励ますシーンだった。

「これを読んでなんとも思わないのですか!」
「これを?」
「はい! 姉妹のお尻にキスするところです!」

正直、ついにここまで来たかと思った。

「たしかに、衝撃的ではあったな」
「こんなに赤くなって可哀想です……」
「問題は次のシーンだ」

ペラリとページをめくり、問題を指摘する。

「慰めてる主人公が鼻をひくつかせてるな?」
「あっ……えへへ」

そう来たかぁ、みたいな顔しやがってこいつ。

「察するに、尻の匂いを嗅いでいるのだな」
「つい、我慢が出来なくなりまして」
「違う。冒頭から綿密に伏線が張られている」
「あ、あはは……流石は博士、お鋭い」

構成は完璧。結末は最悪。無論、没だった。


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