博士「どんな本が読みたいんだい?」ホムンクルス「恋愛……小説が読みたいです」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/01(日) 23:25:04.56 ID:H1GMKT+vO
「102番、調子はどうだね?」
「はい、良好です」
「103番、変わりはないかね?」
「はい、変わりありません」

ホムンクルスの数は100体を超えた。
彼女達姉妹は皆同じ顔と身体であった。
清楚な白のワンピースに身を包み。
その胸元につけられた番号で呼ばれた。

「博士」
「なんだね、46番」
「書庫の本が足りません」

ホムンクルスは本を好んだ。
ひとりの例外もなく、読書を嗜む。
100人も居れば、当然本が尽きてしまった。

「では、新たに用意しよう」
「ありがとうございます」
「どんな本が読みたいんだい?」

気まぐれに尋ねてみると、46番は頬を染め。

「恋愛……小説が読みたいです」

恥じらいながらそう口にする姿に感動した。

「素晴らしい! まさに知恵の実だ!」
「知恵の実……?」
「人の祖はそれを食べて恥じらいを得たのだ」

人は知恵の実を食べた直後、素肌を隠した。
それと同じように、彼女達にも変化があった。
自らの欲望を口にすることを躊躇ったのだ。


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