707:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 19:51:57.39 ID:/np0PoHr0
飯田は通路の奥へと進みながらアリスに救急キットを投げ渡した。
飯田「ほら、治療しておけ」
アリス「ありがとう。...局長達、大丈夫かな?」
飯田「局長の実力がどの程度かは分からないが、遅れを取ることはないはずだ、それにリノアがいる。目の前のことに集中しよう」
アリス「そうね」
突き当たりの扉を開けると、2人は司令室のようなところに出た。
中央は吹き抜けになっており、ホログラムの地球が映し出されていた。
?「まさかここまで辿り着くとは、予想外だよ」
拍手と共に男の声が聞こえてくる。
飯田「お前は?」
ジョン「名乗る程の者でもない、ジョン・ドゥとでも呼んでくれ。先駆者、そのリーダーだよ」
そこに居たのは何の特徴もない、数分後には顔を忘れてしまいそうな普通の男だった。
アリス「貴方が...!」
飯田「お前の企みもここまでだ、観念しろ」
ジョン「それは君達の方だよ」
彼が指を鳴らすと同時に、飯田達の背後に兵士達が現れた。
ジョン「今やこの地球上に存在する全ての指揮系統は先駆者の支配下にある。外のお友達もすぐに終わるさ。君達を始末すれば世界に平和が訪れる」
アリス「平和?どこが?貴方達のしたことといえば無辜の人々を拐い実験台にして、戦争を引き起こしたくらいじゃない」
ジョン「それは平和に辿り着くまでに必要だった犠牲だよ。平和を求めるにはそれ相応の代償がいる」
飯田「だが...どうやって世界を平和にする?いくら指揮系統を全て支配したとはいえ人々の不満や戦争が無くなるわけがない!」
そう言うとジョンは顔を押さえ、静かに笑った。
アリス「何がおかしいのよ」
ジョン「いやいや、君たちの抱く世界平和は随分と幼いと思ってね」
飯田「何?」
ジョン「人が、人の欲望が存在する限り大なり小なり争いは無くならない。そんなのは当然さ。ならそれを制御すればいい。定期的に戦争を起こしそれを完全にコントロールすることで、最小の犠牲で最大限人々の欲や不満を満たす」
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