178:名無しNIPPER[saga]
2020/01/21(火) 20:17:31.99 ID:O1yi6yMd0
トラックが憲兵総局の本部に着き、飯田達がトラックを降りるとマルバス隊の隊長が掴みかかってきた。
隊長「おい!どうして直ぐに部長を退避させなかったんだ!!あんた達はエリート部隊なんだろ!?」
飯田「...」
周りにいた兵士が止めに入ったが、隊長はそれを払い除けた。
隊長「何とか言えよぉ!」
シモーヌ「ちょっと、あなたも兵士ならわかるはずよ。戦場では誰もが最善だと思った行動を取る。けれどそれが最善の結果をもたらすとは限らない事ぐらい」
隊長「わかってんだよっ!」
隊長は涙を流しながら手を離し、崩れ落ちた。
隊長「本当に許せないのは...その場にいなかった俺だって事ぐらい...!」
飯田「...すまなかった。俺のせいだ」
隊長は呼吸を整え、立ち上がった。
隊長「いや...すまない。...そうだ、副部長があんたらを呼んでたぞ」
飯田「分かった」
隊長は他の兵士達と共に、兵舎へと戻った。
シモーヌ「ふう...」
飯田「ありがとう、シモーヌ」
シモーヌ「ええ。...正直な所、今回は隊長の判断ミスだと思うわ。勿論それに気づきながら何も言わず、屋上のスナイパーに気づきながら適切な行動を取れなかった私も悪いわ」
飯田「いや、これは俺のミスだ」
シモーヌ「...かもね。まあ、何が言いたいのかっていうと終わった事はどうしようもない。だからこそこれからは互いに気をつけましょう。何か意見が有ったら迷わず言う事にしましょう」
飯田「ああ。前を向いて進むしかない...」
シモーヌ「そう言う事。じゃあ私は先に行ってるわね」
シモーヌは手をヒラヒラと振りながら、憲兵総局本部へと入っていった。
アリス「今回は...良い結果とは言えないことになったわ。でも、晃司の誰かを救いたいという気持ちは決して忘れてはいけないものだと思う」
飯田「どうかな...ワグナーさんが生きていれば、今後より多くの者が生き残れたかもしれない。大局を見誤ったのかも...」
アリス「それでも...目の前の誰かを救う事は尊いものよ。...副部長が待ってる、行きましょう」
飯田「ああ...」
ニューロサンゼルスの雷雨は激しさを増すばかりだった。
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