文化祭の実行委員長「別に、女子部員に告げ口なんてしないわよ」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/23(土) 21:43:25.83 ID:JSw9Bq48O
ゲリラライブ開始からものの数分。
盛り上がりは最高潮。間違いなく本日1番だ。
悔しいが、MVPは彼らのものだろう。

なにせこの曲は見せ場が多い。
各楽器のソロが目白押しだ。
とてもじゃないが、集団演奏には向かない。

スポットライトに照らされるトランペット。
伸びやかにストロークするトロンボーン。
フロアタムを叩きつけるスティックの嵐。
軽やかに鍵盤を弾き主旋律を奏でるピアノ。
時折回転させつつ弦を弾くウッドベース。
軽快に揺れ動くサクソフォンの黄金の煌めき。

技術的にはそこまで上手くはない。
けれど、それがまたなんとも味がある。
如何にも素人然とした、学生の演奏。
その身近さが、ノリ易さを生み出していた。

ふと、ステージの袖に目を向ける。
そこには吹奏楽部の女子が居た。
彼女達も私と同じく複雑そうな面持ち。
でもまあ、いいんじゃない? みたいな。
それもまた、私と同じ結論だった。

《Hey!》
《Pachuco!》

あとから調べたところによると『Pachuco』とは乱暴でタフなメキシコ人男性を指すそうだ。
吹奏楽部の男子は皆痩せていて、似合わない。
それでもきっと彼らはそうなりたいのだろう。
今日だけはそんなタフガイになるべく、緑色の仮面とハットを決めて、ステージに立った。

それは確かな男らしさであると、認めよう。


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