文化祭の実行委員長「別に、女子部員に告げ口なんてしないわよ」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/23(土) 21:53:45.56 ID:JSw9Bq48O
「なるほどね」
「安心した?」

どうだろう。思わず首を傾げてしまう。
ひとまず問題は解決に向かっている。
そのことに胸を撫で下ろしつつ、けれど、どこか寂しいような、奇妙で複雑な気持ちだった。

「たしかに生音は気持ちいいけどさ」

友人はちょんちょんとヘッドホンを指差して。

「私の愛機もなかなかでしょ?」
「ええ、すごく良い音」
「この子、DT 990 PROって名前なの」
「まさしく業務用って感じね」
「えへへ〜beyerdynamicって、ドイツのブランドのヘッドホンなんだ〜すごいでしょ?」

疎い私には何が凄いのかよくわからない。
けれど、すこぶる音が良いことはよくわかる。
特に唸るような重低音の広がりと、金属質な線の細いハイハットのシャリつきが癖になる。

「だから歓声は必要ないんだよ〜」

きっぱりと友人はそう結論付けた。
しかし、一概にはそうとは言えないだろう。
客席を湧かすのも、JAZZの魅力だと思う。
けれど静かに楽しむのもまた、醍醐味だ。

「また良い曲あったら聴かせて」
「もちろん! だから文化祭の件は許してね!」

そう言われてしまっては、許すしかなかった。


【実行委員長の事後処理】


FIN


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