白雪千夜「足りすぎている」
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92:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 00:32:26.87 ID:1/ZkFkMM0
   * * *

「はぁぁ……ハラショー……」

 上野にある美術館。
 その大広間に飾られた絵画の一つを見て、アーニャさんが感嘆の声を漏らした。
 やはり大作というのは、人の心に残るだけの力がある。

「クロード・モネの『睡蓮』ですね。
 1900年代初頭ですから、彼の晩年におけるシリーズのうち、比較的早期に制作されたもののようです。
 柔らかで温かみのある色使いと光の表現は、モネならではかと」
「はあぁぁぁ……」


「すっかりツアーコンダクターだね、千夜」

 私とアーニャさんの後ろから、凛さんがからかい混じりに感心した様子で声を掛ける。

「これくらいのことは、何でもありません」



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