白雪千夜「足りすぎている」
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6:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 20:55:09.24 ID:QXbKSZYO0
 ――――。

 なるほど、お嬢様の言ったことは間違っていない。

 私を待ち受けていたのは、まるで熊のように大きい男だった。
 ドアスコープの視界が真っ黒だったのは、この男がドアのすぐ近くに立っていたのではなく、あまりに体が大きいために視界が塞がれていたからだと理解した。

「白雪千夜さん、ですね?」

 私の名を確認しつつ、男は胸元から名刺を取り出し、その厳めしい体格とは不釣り合いなほど慇懃な姿勢で腰を折った。

「私は、こういうものです」

 両手で丁寧に手渡された、その名刺に書かれた名前は――。



「……さんびゃく、よんじゅうろく、プロダクション?」



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