白雪千夜「足りすぎている」
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167:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 16:46:13.55 ID:1/ZkFkMM0
「し、失礼します!」
「ひぁっ、し、白雪さんちょっと!?」

 引っかけた靴を履き直す時間すらもどかしい。
 お嬢様の部屋の片付けも、ドアの鍵も、まるで無視してしまうほどに、私は頭が真っ白のまま寮の出入口へと走った。

「チヨちゃーん! 1階のトイレは今使えないよー!? シキちゃんがぃ……!」

 角を曲がり、宮本さんの底抜けに明るい澄んだ声が遠くに響いて、彼方に消えた。



「はぁ……はぁ……!」

 本当に私は、どうかしている。

 今日は11月10日。
 自分のことばかり考えて、お嬢様の誕生日すら忘れるなんて!

 寮にもレッスン室にもいないのなら、今日は屋敷に戻っているはずだ。
 急いで私も向かわなくては――!

「……えっ!?」



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