162:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 16:28:58.08 ID:1/ZkFkMM0
業界に入ってまだ日は浅いが、一目でレベルが違うと分かった。
表情はおろか、指の先の一瞬にまで機微を感じさせる表現力。ターンのキレ。声の伸びと張り。
彼女のパフォーマンスの隅々が、一挙手一投足が、今日まで私自身がトレーナーから指摘されてきたことを遙かに超越しきっている。
だが、彼女の凄さは教科書に即した完成度の高さだけではない。
何よりも、この玲音さんは――観客と一体になっている。
エンターテイナーとして観客を楽しませようという精神を、ひしひしと感じる。
およそ全てのアイドルファンに愛される存在であり、彼女もまた全てのファンを愛する人なのだと、そのステージを見て分かった。
果たして、お嬢様にこれと同じステージができるだろうか――?
お嬢様には失礼だが――おそらく、不可能だろう。
これは、玲音さんの献身的な姿勢と、それ以上に彼女自身がこれまでに培ってきた非常な努力を感じさせるものだ。
アイドルを始めてたかだか数ヶ月、それも並みの体力を持ち合わせていない者が、軽々しく比肩できる厚みではない。
――分不相応だなんて、笑わないでね。
「……!」
――夢を見るのは自由、でしょう?
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