69: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:34:50.00 ID:6s/A4gNC0
そんなある日の昼下がりのこと。
私のスマホには一件の着信が入る。登録した嫌な名前が画面に表示される。
娘の通う小学校の名前だった。
70: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:37:02.65 ID:6s/A4gNC0
「実は、クラスで男子相手に喧嘩したようでして、
こちらもまだ詳しい事情は分かってはないのですが、
えー、膝を擦りむいてケガをしていまして、
71: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:37:53.45 ID:6s/A4gNC0
まあ、パニックになるってのも無理もない。
こんな問題を娘が起こすなんて初めてだった。
72: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:39:27.49 ID:6s/A4gNC0
「今は保健室にいますので。
相手の男の子は今別の教室に移ってます。
今日のことは相当ショックを受けているみたいなので
73: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:40:27.85 ID:6s/A4gNC0
一番の理由は
「人には見られたくないものを見られそうになった」
というものだった。
74: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:41:48.49 ID:6s/A4gNC0
「やっぱり歌手になるの!?」
「え! ならないよ!」
75: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:43:34.01 ID:6s/A4gNC0
で、先生はこの時、別のグループの真面目な相談を
聞いていて目を離していたと言い
「注意不足でした申し訳ございません」
76: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:45:21.12 ID:6s/A4gNC0
そして、私にはもうそれ以上に気になって仕方ないことがあった。
娘はいったい、なんと書いたのだろう。
娘はいったい将来何になりたいのだろう。
77: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:46:26.33 ID:6s/A4gNC0
「うん、よし。今日は帰りましょ」
78: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:47:27.32 ID:6s/A4gNC0
あまりの急な登場にたじたじの私と娘だった。
そして、すぐにパワフルお母さんがギロリと睨みつける方にはトボトボと歩く少年が一人。
79: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2019/11/19(火) 21:48:44.58 ID:6s/A4gNC0
パワフルお母さんの勢いに圧倒されて少し口ごもってしまったけれど、
ピシッとした姿勢と態度で頭を下げる。
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