タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7
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23:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/29(金) 00:19:24.36 ID:kHPj3Otx0
前スレ>>963「青い家」
美しく真っ赤な鯉が手に入ったので、旧友の青山氏にプレゼントしようと彼の家を訪れた。

そこはなんというか、言葉に表しがたいほどの青で埋め尽くされていた。いったい何があったのだろうと思いつつ開け放しの門扉を抜けると、突然池から真っ青な河童が飛び上がって、
「やあやあここをどこと心得る、かの青色大臣青山氏の邸宅であるぞ」

そんなに彼は偉くなっていたのかと思い、「ならばこれで錦の御旗代わりに」

「そんなものが許されるか! 青色大臣に赤い鯉など、ふざけるんじゃない」歯ぎしりの音がここまで聞こえてきて、尋常でない憤怒のようだ。

「こうしてやる、えい!」と河童が腕を振ると鯉は舞い上がって膨張して立派な鯉幟になって隣家の庭に雄々しくたなびき、私は凝縮して変形して固い肌が生み出され、アメリカ式の青いポストとなって青山氏の邸宅の目の前に据えつけられた。

五歳くらいの一枚のはがきを持った女の子がそれを見つけて不思議そうな目で二、三度つつくと、ちがーう! と泣きながら走り去った。

前スレ>>964「チキンレース」
「もう逃げたりはしないな」と髪の逆立った青年が言い、「もちろん、この期に及んで逃げたりしないさ」と金髪の青年は言った。

「じゃあ取り決め通り、俺たちはあの崖に向かって走る。それは俺たちがブレーキを引くのではなく、メーターに進む距離を設定して、よりギリギリで止まることができた方を勝ちとする。正確な距離はわからない。一キロ以上あるからかなり難しい。が、それでもどれだけ攻めることができるか、試してやろうじゃないか!」
「あたぼうよ!」


「設定できたか?」「ああ、完璧だ。何キロくらいにした?」「バカ、言うわけないだろう。それも秘密にしておくのが醍醐味ってもんだ」「それもそうだな」「よし、じゃあ行くぞ! アイマスクをして暗闇の恐怖にも耐えるんだ!」

彼らは出発した。砂埃を上げて、崖へと驀進していく。果たしてどちらが勝つのだろう。いずれにせよ、終われば彼らはがっちりと、漢の握手を交わすだろう。

ところで、彼らが進む距離を入力して設定したメーター、その片隅には「Mile」と書かれていたという。


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