8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:41:15.02 ID:p0kC2C320
「まあね!」って何!?
凛世ちゃんの家での自分の言動を振り返り頭を抱える。
どうして私は反射的に見栄を張っちゃったんだろう。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:43:12.56 ID:p0kC2C320
「とりあえずこの目についたやつを買ってみようかな」
そう思って積まれている漫画を手に取ったら。
「それは名作だけど、生々しすぎて初心者のお嬢ちゃんにはちょっとオススメできないじぇ」
10:名無しNIPPER[saga sage]
2019/11/09(土) 10:44:22.81 ID:p0kC2C320
「これは友達の話なんですけど」
「……うん」
「その優しいまなざし絶対誤解してますよね!?ホントに友達の話なんです!」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:45:10.92 ID:p0kC2C320
「とりあえずその子とお嬢ちゃんへのオススメはこんなところだじぇ。ハマってる少女漫画と同じ学園モノで初心者向け」
「どんな話なんですか?」
「クラスのマドンナ相手に失恋した主人公が今まで隣で支えてくれた親友に告白されて、今まで男性に興味なかった主人公は初め嫌悪感を抱くんだけど、それでも次第にそっち方面の恋愛に目覚めていく葛藤を丁寧に描写されている名作で特に合宿編で親友とマドンナと同じ班になった時の」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:45:48.31 ID:p0kC2C320
ともかく私は何冊かオススメされた本を買い、スピードワゴンさんにお礼を言って店を出る。
どうか今は知り合いに見つかりませんように。
あとファンも今はちょっと困るので本当にお願いします神様。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:46:24.04 ID:p0kC2C320
「……」
「……」
「……面白かった」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:47:35.90 ID:p0kC2C320
「……」
「……」
「……とてもよいお話でした」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:48:30.16 ID:p0kC2C320
そして漫画を置いて、こちらに向きなおした。
「智代子さん……ありがとう、ございます……」
凛世ちゃんは頭をさげる。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:49:35.79 ID:p0kC2C320
私は馬鹿だ。
プロデューサーさんと社長さんのキスを理解できなかった凛世ちゃんがそれを理解することの意味なんて、考えなくてもわかるはずなのに。
目をそらしていた?
17:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/09(土) 10:50:06.30 ID:p0kC2C320
ぽろぽろと、涙が零れる。
「ごめん……ごめんね、凛世ちゃん……私がもっとちゃんと……」
「謝る必要はありません……これは、凛世が知りたいと願ったこと……智代子さんは何も悪くはありません……」
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