【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―7―
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68: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2019/12/24(火) 19:55:05.73 ID:vF+jj9uO0
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―ピエリ誕生日SS―

 誕生日を迎えることが大人になる事じゃないって知ったのは、あの子に出会ってからだと思う。それまでの誕生日はただ歳を重ねる事だけしか出来ていなくて、ピエリは大人に近づいてなんていなかった。そんなことを思いながら雪が降る空の下にいると、声が聞こえた。

「駄目ですよ、ピエリさん。そのままじゃ、風邪を引いちゃいます」

 そう言って駆け寄ってきたその子を見ていると、お母さんを思い出す。
 ピエリのお母さんはとっても優しくて、お料理上手の綺麗な人だった。
 ピエリが何かを間違ったことをしたら怒ってくれて、最後には優しくしてくれた。
 そんなお母さんがピエリは大好きで、なりたい大人と言われたらお母さんって答えるほどだった。
 だけど、ある日、お母さんは真っ赤に染まって居なくなった。
 それからお料理の匂いもしなくなった。
 イライラして何かに八つ当たりしても怒られなくなった。
 好きなことをしても誰も怒らなくなった。
 辛くても心配されなくなった。
 ピエリのことを褒めてくれる人はいても、心配してくれる人は誰もいなかった。
 その日から、ピエリは大人になる事をやめて、子供のままでいることを決めたんだと思う。
 その結果、ピエリはみんなから怖がられるようになった。
 人殺しだからじゃなくて、ピエリだから怖がっていると知ったのは、あの戦いに参加してカムイ様や他の皆と一緒に戦っている時だった。
 ピエリが敵をバラバラにしても怒らない。だけど、何かに関わろうとするとみんな何か理由を付けて去っていく。本当は孤立している事も分かってた。でも、その原因がわからなくて、それを苦しいって言えなかった。



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