【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―7―
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245: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2020/12/24(木) 19:04:56.55 ID:01mrACZZ0
「わかったの。今は我慢するの」
「えらいですよ。ピエリさん」
「子ども扱いしないでなの」
「ふふっ、安心してください。時間が来たらきちんとお渡ししますから」
「もう、リリスは融通が利かないの」
「よく言われます。でも、やっぱりこういうのはみんなで一斉に渡したい物なんですよ」

 そう言ってリリスは柔らかい笑顔を浮かべて、ピエリのことを見つめる。

「誕生日っていうのはみんなで一緒にお祝いしたいじゃないですか。特に一番大好きな友達の誕生日っていうのは」

 そう恥ずかしげもなく伝えてくるリリスになんだか恥ずかしくなる。

「そういうわけですから、プレゼントはその時間までお預けです」
「わかったの。でも、待たせた分だけプレゼントには期待しちゃうから覚悟するのよ」
「うーん、そう言われると中々にプレッシャーが掛かりますね」
「えへへー、どんなものが飛び出すのか楽しみにしてるの」

 そうして、ピエリはリリスを連れて自室を出ることにする。ブローチの取り付けは使用人がやってくれるし、このドレスに身を包むのは、恐らくリリスのいうその時間になるはずだからだ。

「あ、そうでした」

 突然リリスが立ち止まる。なにかあるのかなって振り返るとリリスは嬉しそうに笑みを浮かべた。

「ピエリさん、お誕生日おめでとうございます」

 ピエリだけに向けられたお祝いの言葉、それは確かにピエリの中に届いた。

「うん、ありがとうなの」

 足取り軽く、ピエリはその時間が来るのを楽しみに待つことにする。
 いっぱいいっぱいのプレゼントと、いっぱいいっぱいの言葉が待ってるその時間を。

     ―終わり―



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