【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―7―
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2020/12/24(木) 19:02:52.09 ID:01mrACZZ0
部屋に戻ると、リリスが来たという言葉を聞いた使用人がすでにドレスの最終チェックの下準備を済ませて待ってくれていた。今日の衣装にはある物が必要で、それを今日のパーティー開始前にリリスが届けてくれる手筈になっていたのだ。
「えへへ、これでドレスが完成なの。リリス、持ってきてくれてありがとうなの」
「いえいえ、出来れば昨日届ける事が出来てば良かったのですけど」
「ううん、今日間に合ったからとっても良かったの。それじゃ、それを貸してほしいの」
「はい」
リリスは小物入れの中から箱を取り出して、ピエリに差し出して来る。でも、それはリボンが付いた箱じゃなかった。それが予想外で、ちょっとだけ固まった。
「はい、ピエリさん。まずは開けて中身を確認してみてください」
「う、うん」
受け取った箱を開けると、ドレスに着ける赤と青の宝石をあしらったブローチが入っている。ピエリの青い髪の色とピエリの好きな色が揃ったこれが、特製ドレスの最後の装飾品だからだ。
「これで間違いないの。リリス、ありがとうなの」
「どういたしまして、間に合って良かったです」
必要な物を受け取った。でも、だからこそ、未だに小物入れに残っている箱が気になって仕方なかった。
「え、えっと、リリス。そっちの箱はなんなの?」
「決まっています、ピエリさんへのプレゼントですよ。皆さんも色々なプレゼントを用意しているみたいですから、中々悩みました」
その言葉になんだかとてもうれしくなる。
「ありがとうなの」
そして手を差し出す。だけど、いつまでたっても小物入れから箱が出てこなかった。
「……今くれないの?」
「駄目です。これは他の皆さんが揃った時にお渡しします。私だけ抜け駆けするわけにはいきません」
「いいの。ピエリがいいって言ってるから今すぐ渡すのよ!」
「いいえ、こればっかりは駄目です」
「むー、リリスのケチ!」
「私がケチなのではなくて、ピエリさんが我侭なだけですよ」
そう言い返して来るリリスを見ながらも、そのきちんと用意された箱の中身がピエリへの贈り物だとわかってとても満足だった。頼まれた荷物を運んでリリスはすぐに帰っちゃうかもしれないと思っていたから。だから、それだけで今は十分だって思えた。
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