645: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2022/03/21(月) 05:11:41.09 ID:0Hx+2bE/0
お姫様だっこで緋色を持ち上げる。
糸が切れたようにぐったりとした身体は普段よりも重く感じられた。
男『…』
『…』
目を合わせようとはしない彼女の顔は、やはりどういうわけか赤いままだ。
まあ今はいい。
落とさないようにまだ小刻みに震えている肩と濡れた足の部分をしっかりと手で固定し、
濡れた、
濡れた?
男『濡れてる?』
今濡れる要素があったか?
だが左手には確かに緋色の袴が濡れている感触があった。
脹脛まである桜の花びらを纏っているかのようなそれをよく見ると、下のほうに向かって確かに濡れた跡がある。
雨漏り、ではない。
むしろ温かくて
男『緋色…?』
『……』
男『えっと…』
『』ビクッ
目が、ようやく合った。
そして
『うぇぇぇぇぇん!!』ガシッ
男『うぉっ』
ガッチリと俺の胸にしがみつくとそのまま上からも大量の水を漏らし始めた。
男『…』
これ、誰かに見られたらヤバいなぁ。
半ばフリーズした思考でなんとか緋色を部屋に運んだ。
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