625: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2022/02/15(火) 00:48:31.13 ID:HJ8e5cO4O
秋雲『私達はさ、砲塔から機銃、魚雷まで、その一つ一つに妖精さんがいるじゃん。点検装填発射、あらゆる工程につまりは人の手が必要なわけだし』
叢雲『それは艦載機も同じじゃない?』
秋雲『でも私達、つまり駆逐艦や軽巡重巡、戦艦なんかは砲塔を自分の手から離さないでしょ?』
叢雲『砲塔を、あぁそういう事』
言われてみればそうだ。
そもそも攻撃機のコンセプトというか、根本的な考えは攻撃の届かない所へどう攻撃するか。
艦載機なんて括りで忘れがちだけどやってる事は機銃や魚雷発射管を凧に括り付けて飛ばしてるのと同じ事だ。
より遠くへ、見えない、届かない位置への攻撃。
秋雲『放つって点で皆は砲弾や魚雷なんかと艦載機を同じ物だと考えがちだけど、実際はそっちなんだよね』
叢雲『そう考えると見方が変わるわね。長年使ってきた装備には愛着もあるもの。それを飛ばすとなると』
秋雲『艦載機のバリエーションの豊かさも拘りの一つになるんだろうけど、それ以上に未帰還って可能性があるのが決定的だろうね』
叢雲『壊れた砲塔や魚雷発射管と、撃ち落とされて海に消えた艦載機とじゃ比べようがないでしょうね』
右腕を見る。
こうして少し意識を向けるだけでいつも身に付けている魚雷発射管の感覚をありありと思い出せる。
壊れる事もある。投棄することもある。それは身体の一部を捨てる様な感覚だと思う。
でももしそれを空に放ち、帰りを待つとしたら。
それは確かに人で言う我が子という概念に近いのかもしれない。
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