427: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2020/09/22(火) 01:02:34.72 ID:PYziUX8s0
緋色達を見てみると丁度叢雲が手を離した時だった。
それを眺めながらイヤホンを耳にさした。
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叢雲『いい?転びそうになっても手をついたりしようとしちゃダメ。ここでは"そういう感覚"を捨てなきゃいけないの』
緋色『は、はい』
揺れているのは身体だけじゃなくて声もだった。叢雲から手を離され一人で海に立っている状況が不安で仕方ないようだ。
叢雲『木になったイメージね。足から根が伸びて結びついているイメージ。例え揺れてもある程度なら足さえ海面に付けていれば倒れはしないわ』
緋色『足に根っこ、足に根っこ…』
叢雲『はい後ろで腕を組んで!』
緋色『はい!』ガシ
叢雲『えいっ』
叢雲が緋色のおでこを軽く突いた。
緋色『ヒッ!?』
グラりと緋色の身体が後ろに倒れかける、が。
緋色『…あれ?』
後ろで腕を組みバランスの取れない状況にも関わらず緋色の身体は後ろに倒れることなくただ押された分だけスーッと後ろに下がっただけだった。
叢雲『ね?倒れないでしょ』
緋色『ホントだ…』
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