419: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2020/09/22(火) 00:56:44.77 ID:PYziUX8s0
緋色が海へと足を入れた。
チャプンと、そんな水溜りに足を踏み出したような音を想像してしまう程あっさりと彼女は浮いた。
当然のように。そしてやはりそれは当然なのだろう。
夕張『…めっちゃりきんでますよ?』
男『え?』
言われて気づいた。いつの間に手をぎゅっと握り締めていた。全身の力が少しづつ抜けていく。
夕張『心配でした?』ニヤリ
夕張が何か嬉しそうにこちらを見てくる。
男『まあ、そりゃな』
夕張『大丈夫ですよ〜。沈んだりしませんって』
男『分かっていてももし浮く事が出来なかったらと考えちまうんだよ』
緋色は叢雲に引っ張られてゆっくりと階段から離れていく。
僅かとはいえ揺れる海面と背中の艤装でバランスが中々取れないのか始終フラフラしていた。
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