374: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2020/08/03(月) 03:35:12.12 ID:Lcr1vf/j0
叢雲『これでも初期艦だもの。そうやって毎日毎日寝てると意識を落とすのに随分慣れてね。ある日たまたま司令官が執務室のソファで昼寝をしている時、まああれよ。魔が差したの』
叢雲の視線がブレる。
俺ではなくどこか遠くを見ている。いつかの記憶を見つめている。
叢雲『気持ちよさそうに寝ていた。人は夢を見るというのは教わっていたから気になったのよ。司令官の隣に寄り掛かるように座って、私も意識を落とした』
きっとその時はまだ恥や照れはなかったのだろう。
叢雲『空っぽになるはずだった。でもそうじゃなかった。司令官の鼓動が私の中に響いたの。それは波や機関部や砲撃や砲弾や魚雷や雨や風や、海で出会った何よりも響いたの
まるで司令官を乗せているような感覚だった』
男『乗せる、か。俺らには分からない感覚なんだろうなあ』
叢雲『ええそうね。人間には分からないわよ絶対』
そう断言する叢雲はどこか誇らしげだった。
男『それでその心地良さが気に入ったから提督と?』
叢雲『そうね。でも本音はもう少し後ろ付きよ』
821Res/614.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20