16:伊丹 [sage]
2019/10/26(土) 00:07:05.98 ID:SXeAMA+D0
それから次の車両の入荷日の話をぼんやりと聞いて、
アタシの店への用事は終わった。
店員に見送られながらヘルメットを抱えて店をあとにしたとき、
背後の店の整備ピットの中から聞き慣れた排気音が響く。
クラウザー号のエンジンの吹け上がりのチェックかな。
アタシが運転しているときには聞こえない、
ラフなスロットルワークの甲高い排気音―――!
物言わぬ、機械のはずなのに
ただの、排気音のはずなのに
その音は、アタシの耳にひどくこびりつくように残響する。
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