【アイマス】真「目を閉じて見るハッピーエンド」
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48:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 20:40:25.00 ID:9QDdaMIOO
765プロのアイドルになったボクは、事務所の他のアイドル達にほとんど嘘が無い事に逆に驚いてしまった。
芸能界っていうのはもっと裏表が激しい業界だと思っていたのに、どうやらココには奇跡的に心の綺麗な人が集まっているらしい。
特に嘘が少ないのはやよいと美希だ。やよいはその純粋さ故に、美希はその奔放さ故に。
49:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 20:44:58.58 ID:9QDdaMIOO
彼女の存在は初めから異彩を放っていた。
ボクがアイドルとして765プロに初めて出勤した日。
紹介のために集められたアイドル達を見渡している最中、ソファに座る少女を見てボクの視線は束の間その一角に縫いとめられた。
50:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 20:50:39.08 ID:9QDdaMIOO
初めての出会いから数日が過ぎても、雪歩の素顔が露わになることは一瞬たりとも無かった。その理由がまったくわからないボクは嫌が応にも雪歩に注目してしまう。
当たり前の話だけど、嘘だけで他人と会話するなんて不可能だ。天気の話やこれからの仕事の話で嘘を吐いてもすぐにバレてしまう。
それなのに何故雪歩の仮面は一瞬も剥がれないのか……その理由は見当もつかなかったけど、雪歩の素顔を見る機会はすぐに訪れた。
51:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 20:52:48.24 ID:9QDdaMIOO
初めてのダンスレッスンの日、ダンススタジオの壁一面を占める姿見の中に雪歩の素顔は映し出されていた。
これが仮面のルールのうちの一つだ。
仮面はボク自身の目で相手を直接見ないと現れない。鏡やテレビを介して見れば、相手が嘘を言っていようがいまいが常に素顔のままだ。
52:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 20:59:16.53 ID:9QDdaMIOO
雪歩に興味を持ってから数ヶ月後、ボクたちはプロデューサーにアイドルデュオとして活動すると告げられた。
何故この二人なのかとプロデューサーに尋ねてみると、「二人に似た雰囲気を感じたからだ」という答えが返ってきた。
53:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 21:24:40.68 ID:9QDdaMIOO
ある日の早朝、洗面台で顔を洗いながらボクは思い悩んでいた。
仲を深めるために試行錯誤してみても雪歩の堅牢な心の扉はビクともしない。
正攻法じゃダメなんだ。そんなやり方には雪歩は慣れきってるに違いない。何か別方向からのアプローチを考えないと……
54:名無しNIPPER[sage]
2019/10/25(金) 21:34:15.04 ID:SiYtv9M4O
見てるよ
はよ
55:名無しNIPPER[sage]
2019/10/25(金) 21:59:33.47 ID:9QDdaMIOO
ありがとう。
しばらくの間切れ切れの投稿になりそう。
56:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 22:02:37.45 ID:9QDdaMIOO
シングル発売記念のサイン会の後に、その機会は訪れた。
「今日はこのまま2人を家まで送るよ」と言うプロデューサーの言葉に甘え、ボクと雪歩は社用車の後部座席で揺られていた。
57:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 22:06:40.31 ID:9QDdaMIOO
雪歩の家の近くで車が停められる。
別れの挨拶をして車を降りる雪歩に合わせてボクも口を開く。
58:名無しNIPPER[saga]
2019/10/25(金) 22:09:18.95 ID:9QDdaMIOO
雪歩に視線を向けると目が合った。けれど、何かを言おうとして口を開いては閉じてを繰り返している。
黒い仮面越しにも戸惑いの感情が伝わってきた。
ボクの嘘に対してなんと言っていいかわからないのだろう。仕方なくボクの方から次の行動を促してあげる。
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