12: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2019/12/13(金) 02:14:42.22 ID:Zw5OVItT0
けれどそもそも、前世(まえ)の記憶は辿ろうにも、自分には――。
「すいません、言いづらいこともありますよね」
「……いや、大丈夫」
彼女のすまなさそうな表情と、自分が考え込んだ表情を見てそう言ったその言葉で、考えがかき消えていく。
「さて、薬草の採取も後少しですから。頑張りましょう!」
「わかった」
今は目の前のことに集中するだけ、まずはこの世界になれることから始めないといけない。
風が吹く、頬を撫でるそれが、懐かしいのかどうかも、今はもうわからない。
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